※今回の問題の性質上、ある程度情報が正確ではない可能性があります。その点をご留意の上お楽しみください。(ついでに言うと粗探し的な記事でもありません)
まんが甲子園2025で最優秀賞が取り消されましたが、類似性問題、いわゆるパクリ騒動だったみたいですね。
実際の両作を見比べてみましたが、確かに類似性は多い。
ですが、個人的には超ギリギリでオマージュになりきれなかったアウト作品に見えました。
お題が出てその場で描く、という性質上記憶の中から引っ張り出したのでは?という見方も出来ますが、現場はデジタル作画も認められているので、ipadやスマホを用いて過去の絵を検索しようとすれば出来る状態だった可能性も高い。
なので、一旦真似しちゃった。
という体で話を続けますが、なぜオマージュになりきれなかったのか。その点ですね。
箇条書きにします。
・真似た元がそれほど知名度が高くない
・構造自体を真似てしまっている
・真似たことによる面白さがない
このような部分がオマージュになりきれなかった要素だと思います。
オマージュというものは、元々パブリックイメージに近いほど認知が高い作品を、「パクってますよ」という体で取り入れ、元の作品の文脈を無視して登場させることで世界観のズレや、ちぐはぐな面白さを出すものです。
例えば
90歳の老人が妻から受け継いだ麦わら帽子をかぶって宇宙船で最速の男を目指す
だったらオッケーですが、
20歳の若者が憧れの男から受け継いだ麦わら帽子をかぶって大海賊を目指す
ならアウト。
他には、デザインのソースとして利用して、あくまで○○ライク、○○風として一部の要素をキャラクターに取り込む手法もありますね。
漫画を飛び越えて、芸術の分野になるともう少し複雑で「パクったことに理由があれば許されがち」という不思議な状態。
例えば雑誌の写真をそのままアレンジして絵画にしても、そこに明確な理由があれば許され、逆に一部を利用してるだけでも理由が無ければパクリとみなされます。
まぁ、これは芸術の独特な文脈と批評の風土から来るものなので、あまり参考にはなりませんが目安として。漫画業界は出版と結びつきが強いので、もっと融通が効かない事情はあると思います。
最後に、この最優秀作が取り消されずに、認められるためにはどういったものが必要だったかですが。
見た目をカボチャに変えて、最後はお互いびっくりして飛び上がった所で終わりにすれば問題は無かったと思います。それで最優秀賞を取れたかどうかはわかりませんが。
とても絵が上手で、色使いも綺麗で、今後デザイン業界なり漫画業界で活躍しそうな若い才能なので、今回のことは残念ですが応援しています。
もっと顧問なり大人が普段からパクリの線引きについて教えておくことが重要ですね。もしくは運営がルールをわかりやすく明示化する必要があると思います。
それによって表現の自由が~幅が~、とか色々言うのでしょうが、あくまで競技性がある賞レースで出場者も高校生です。
その縛りの中で不自由を感じながら生まれてくるものこそが、面白い漫画なのではないでしょうか。
以上です。
今回は残念でしたが、彼ら彼女らの新しい作品をまた楽しみにしています。
※参考引用元
第34回全国高等学校漫画選手権大会(まんが甲子園) 実施要項→事業実施計画