【アキバ冥途戦争】第4話 実録!豚の調教師だブー!!
作画☆☆☆☆ キャラ☆☆☆ 脚本☆☆☆ 構成☆☆☆☆ 音楽☆☆☆☆
総合86点
和平なごみ 近藤玲奈 万年嵐子 佐藤利奈 ゆめち 田中美海 しぃぽん 黒沢ともよ 店長 高垣彩陽 アニメーション制作:P.A.WORKS
社会風刺多めの4話
リアルな任侠世界をメイドが闊歩するという、荒唐無稽な本作ですが、4話に関しては社会風刺の意味合いが強いものとなっています。
ブラック企業で働いたことがある人は、うっ・・・頭が・・・。
と記憶が蘇るような内容です。
企業内の調教師(SV)とは
企業とそのグループ企業。もしくは本社とフランチャイズ。その関係性において、どうしても発生する人材、サービスのばらつき。売上の減少。
それらを解消するために派遣されるのがSV=サービスバイザーです。
本作では調教師と言われる存在ですね。
ケダモノランドの方針としては、従業員をしっかりおひねりを捻り出せる人材に育てることが主な目的のようです。
任侠世界のメイド喫茶(飲食店)ですから当然ですね。
しぃぽんという反逆者
「この腕がグループだ。どれだけ傷ついてもメイドを守る!そしてメイドはおひねりちゃんを捻り出す。そういう血の通った関係なんだよ!」
屋上から叩き落とし、引き上げた後のこのセリフによって、とんとことんのメンバーを説き伏せてしまうシーンがあります。
あーし、落とされたんだけど
あいつなんなん?
マジウザくね!?
しぃぽんだけは、納得がいかず疑問を問いかけます。
ですが、なごみやゆめち、ゾーヤ、嵐子までも、調教師の言い分が正しいと言い始めます。
え?追い出すよね、あいつ?
「何事も経験かと」
まじっすか
頼みの綱だった嵐子にもそう言われ、しぃぽんは諦めます。
その後着々ととんとことんスタッフの調教は順調に進みますが、しぃぽんだけはどこか上の空です。
そしてついに、反省会で他メンバーから一斉に槍玉に上げられ、ガキ使ばりの罰ゲームを連続で食らったしぃぽんはその夜脱走を試みます。
しぃぽんの洗礼
嵐子の協力であとは逃げるだけという状況でしたが、ゴミを漁るみすぼらしい店長と御徒町さんを見てしまい。こうはなりたくないと脱走は諦めます。
あーし、やっぱまだメイドでいたいわ
しぃぽんは調教師から「ケダモノランドグループにふさわしくない」と言われても、メイクは頑なに変えませんでした。
しかし翌日には別人のような状態で朝礼に参加します。
メイクを落とすと言った方が良いかも知れません、まさに洗礼ですね。
新しい自分へと生まれ変わったのです。
その後はしっかり従順に働き、おひねりちゃんもしっかり納める。
そして、調教師に抱きしめられ、迫真のオッケーだもの!!
ここは正直笑ってしまいました。好きなシーンです。
しぃぽんの逆襲
なごみ達がブラック労働、ブラック営業を続ける中、早い段階でしぃぽんは店長に会いに行っています。
しぃぽんはメイクで自己を表現し、常に割り切った言動で捉えどころのない人物です。
もしかしたら、メイクを落とすという洗礼時に、メイドとして働く普段の自分は一旦捨てたのかもしれません。
そして、研修が終わったら取り返してやろうと思っていたのかもしれません。相当メンタルが強くないと出来ない芸当です。
「それだけはやめて!!」
「なんのためにメイドしてるんですか?グループのためでしょ!?」
と言うゆめちとなごみに対して。
違えーっしょっ!!この腐ったアキバの中でも楽しいって思える瞬間あっから・・・!
豚ぁども戻ってこいやぁーー!!!!
と叫びバズーカを放つしぃぽんは格好良かったです。
象徴であるモニュメントを壊すことによって、正気に戻す。
しぃぽんなりのケジメだったのでしょう。
その後
正気に戻ったとんとことんのメンバーがいつも通り営業している所に、調教師が訪れます。
そして、調教師をぶん殴り
あーしはこのメイクが最強で最高なの
勝手に決めんな
としぃぽんが凄みます。それを当たり前のように見ているなごみ達。
もうどうしようもないと悟り逃げ出す調教師。彼女はグループから依頼され失敗は許されない身です。
「いってらっしゃいませお嬢様」というのも、作中では死にゆく者への手向けとして使われている言葉なので、彼女もあまり良い余生を送れないかもしれません。
まとめ
少しやりすぎな位の社会風刺回ですが、
しぃぽんというキャラにスポットを当て、彼女の芯の強さ、メイドへの思い。が伝わってくる回でもありました。
どこかに勤めていると、自分を表現する=仕事
とはなりにくい世の中ですが、しぃぽんの一言一言に勇気と元気がもらえます。
現代社会を生きる上でもそのような逞しさも必要なのかも知れませんね。