【神達に拾われた男2期】第一話レビュー
作画☆☆☆ キャラ☆☆☆ 脚本☆☆☆ 構成☆☆☆ 音楽☆☆☆
総合80点
なろうの伝説的監督
この作品の監督さんの代表作を箇条書きにします。
・異世界はスマートフォンとともに
・神達に拾われた男1期
・リアデイルの大地にて
なろう作品を手掛けることが多く、「異世界はスマートフォンとともに」というある意味伝説的なアニメも手がけています。
その経緯もあってか、いわゆるク〇なアニメを量産する監督と思われている節があります。
ですが、私はこの監督の作品をしぶとく追い続けた結果、あることに気づきました。
手を抜いてそうなったのではなく、本気で良いアニメを作ろうとやっているのではないか?
評価する側がアニメの価値基準にこだわり過ぎなのではないか?と思い始めました。
アニメ界の素朴派
アンリ・ルソー・・・
19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの素朴派の画家。
20数年間、仕事の余暇に絵を描いていた「日曜画家」である。wikiより
アンリ・ルソーは、本人が大真面目に描いているのに、素朴派だとか、ヘタウマだと言われ、新しい価値観を生み出したと、最終的にはピカソにまで褒めらています。
私は本作の監督も同じだと思うのです。
神達に拾われた男一期も、よーく見ていると、作画が安定しないのは事実なのですが、この食事のシーンカット出来るよな、わざわざこの小物描く必要あるのかな、構成的に端折れるのに、しっかりと経緯を描いている、など。
謎に丁寧なんですよ。
この丁寧さはいわゆる低レベルなアニメにはありませんし、世界観と合わない低品質な3Dでお茶を濁したりもありません。その上、重要な部分は押さえており、テンポも良い。
この淡々としたものづくりに対する姿勢。まさに素朴派であり職人芸。
そして、神達に拾われた男2期も変わらずの丁寧さなのです。
味のある作画
これが絶妙で、10年以上前の作品の懐かしさを感じさせつつ、人が不快感を感じないギリギリの作画です。これがずっと続くのです。そこが本作の凄みでもあります。
崩れたかなー?と思うと戻り、手抜きかなー?と思うと変な所にこだわっている。お客さんとかモブもしっかり描かれてる、と思うとメインのキャラが崩れている。動きのある戦闘シーンはかなり簡略化されているのに、妙に尺を取る。
味があると思えば気にならなくなり、安心感すら抱くようになる不思議な作画です。
アイキャッチ
本作の監督さんの傾向というか、癖としてアイキャッチでキャラの一言コメントを入れてきます。これがまた言葉に言い表せない出来で、声優さんがどういう気持ちで収録したんだろう・・・と思うようなものも多いです。
過去作でも賛否両論だったのに、全く意に介することなく、問答無用で毎回入れてきます。
こういう初志貫徹、何かやっちゃいました?
という姿勢。なろう作品を多く手掛ける監督としてこれ以上はありません。
結局どうなの?この作品
結論としては面白いです。
ですが、頭空っぽでぼーっと見て楽しむか、素朴派の芸術作品として消化するかのどちらかになると思います。
女性キャラの見た目の部分を過剰に強調しないので、ストーリーに集中してゆっくり見ることが出来るのは個人的には魅力だと思います。
最後まで見ても、何も変わらない、誰にも変な影響を与えない王道エンタメ作品だと思います。
本作は1話レビューのみで、全話レビューもしないと思います。やる意味が無いからです。良くも悪くもそういうアニメなのです。その点に関しては謎の信頼感があります。
1期ではリョウマは森から出て、最終的には自分の店「バンブーフォレスト」を立ち上げます。
2期では、その「バンブーフォレスト」を大きく広め、新しい街へも旅立つ流れになります。
リョウマがどのような出会いを経て、何を成すのか。とても楽しみです。